Gaussian向けマシン (2022年10月版)

PC-8617Aをご覧のお客様より,Gaussian 16W 32bit マルチプロセッサ版を使うためのマシンをご相談いただきました。
GaussianとGaussviewの利用を想定した構成を,ご予算100万円程度で導入したいというご要望です。
OSはWindowsを予定しており,具体的なスペックとして以下をご連絡いただいています。

CPU:30コア程度
メモリ:128GB
GPU:NVIDIA T1000 8GB

しかし,Windows版 Gaussian 16W 32bitの場合,利用できるハードウェアのリソースは厳しく制限されます。

G16W System Requirements ※Gaussianの公式サイトへ飛びます

the 32-bit version of Gaussian 16W is limited to accessing at most 2 GB of RAM and 16 GB of disk regardless of how much memory is available on the system.
The 32-bit multiprocessor version of G16W is limited to 4 processors (or cores).

上記の通り,利用できるコア数は最大で4つで,メモリも2GBまでとなります。
これは32bitというプログラムの仕様によるものであり,回避することができません。
そのため,32bit版の利用が前提となる場合には,ご覧いただいた事例No.PC-8617Aのような2ソケットかつ大容量メモリの構成を導入しても,性能を活かしきることができないことをお伝えし,方針の再検討をお願いしました。

結果,Gaussian 64bit版を導入するとのご連絡をいただき,マシン側も64bit版に合わせた構成として検討しました。
CPUはXeon Scalableの2CPU構成で,合計32コアを実現しています。
本件のご予算とスペック全体のバランスに配慮する場合,CPUは32コア近辺の構成とするのが最適と考えられます。

【主な仕様】

CPU Xeon Silver 4314 (2.40GHz 16コア) x2
メモリ 128GB
ストレージ 1TB SSD S-ATA
ビデオ NVIDIA T1000
ネットワーク on board (1000Base-T x2)
筐体+電源 タワー筐体 + 850W
OS Microsoft Windows 11 Pro 64bit
その他 TPMモジュール