
鉱物学研究に携わるお客さまより、事例No.PC-12076C、PC-12076Dなどをご覧のうえ、 Advance/NanoLaboでのDFT (密度汎関数法)や分子動力学計算のための計算機をご相談いただきました。
お客様からは、DFTで原子数100から200程度のものを扱いたいため、128GB〜256GB程度のメモリが必要とのご要望をいただいています。
分子動力学計算に加え、Spring-8で取得されたX線CTデータの解析にも対応可能な計算機構成をご希望されています。
ご連絡いただいた内容を踏まえ、弊社からは事例No.PC-12076Dをベースに下記の構成をご提案しました。
CPU | Intel Xeon W7-3555 2.70GHz (TB3.0時 最大4.8GHz) 28C/56T |
メモリ | 合計256GB DDR5 5600 REG ECC 32GB x 8 |
ストレージ | 4TB HDD S-ATA |
ビデオ | NVIDIA RTX2000 Ada 16GB (MiniDisplayPort x 4) |
ネットワーク | on board (1GbE x 1 /10GbE x 1) |
筐体+電源 | タワー型筐体 1000W 80PLUS PLATINUM |
OS | Microsoft Windows 11 Professional 64bit |
ご覧いただいた事例のCPUを 「Xeon W7-3455 (24コア) 」 から、後継機種の 「Xeon W7-3555 (28コア) 」 へ変更しています。
Xeon W7-3555は、Xeon W7-3455よりもコア数が増加しており、マルチスレッド性能や大規模データ処理の効率が向上。 高負荷な作業でより高い処理性能を発揮し、全体的な作業効率と応答性の改善が期待できます。
GPUはX線CTデータの解析用として、 「RTX2000 Ada 16GB」 を選択しました。
メモリの搭載枚数について
今回採用したCPU「Xeon W7-3555 (28コア) 」は、8チャネルのメモリに対応しています。
CPUの性能を最大限に引き出すため、各チャネルに1枚ずつ、合計256GB (32GB x 8枚) のメモリを実装しています。
メモリチャネルの数に合わせてメモリを搭載することで、CPUとメモリ間のデータ転送が最適化され、帯域幅を最大限に活用できます。
本構成の拡張性としまして、マザーボードに空きスロットが8つございますため、同仕様の32GBモジュールを追加することで、メモリ容量を合計512GB (32GB x 16枚) まで増設可能です。
ただし、メモリを8枚以上搭載しても、CPUとメモリ間のバス (メモリチャネル) の本数は増えないため、同時にやり取りできるデータ量 (帯域幅) は変わらず、通信速度の向上は見込めません。
メモリ容量は増えますが、処理速度に直結するわけではない点にご注意ください。
※メモリ速度はCPU側の速度に準拠します。
ご使用目的や処理内容に応じて、メモリ構成やその他の仕様を柔軟に見直すことが重要です。
掲載内容とは異なるご用途やご予算の場合でも、どうぞお気軽にご相談ください。
ライセンスも含めたワークステーション導入をご検討中の方へ
本構成には「Advance Nanolabo」のライセンスは含まれておりません。
ライセンスをお持ちでない場合や、ソフトウェアとあわせて環境を整えたい場合には、ソフトウェアのライセンス取得から、最適なハードウェアの選定・セットアップまでを一括でご提案する「ターンキーシステム」のご利用も可能です。
導入の手間を省き、届いてすぐに研究をはじめることができる環境をご提供します。
ソフトウェアの導入をご検討の際は、お気軽にお申し付けください。
■キーワード・LAMMPSとは LAMMPS (Large-scale Atomic/Molecular Massively Parallel Simulator) は、米国のサンディア国立研究所で開発されたオープンソースの分子動力学計算アプリケーション。パラメータ設定により対応する力場の幅広さと柔軟さに定評がある。 ・Quantum Espressoとは Quantum Espresso (クオンタムエスプレッソ) は、GNU General Public Licenseで無料配布されているFortran95で記述されたオープンソースソフトウェア。第一原理電子状態計算プログラム。第一原理計算コードで、密度汎関数理論に基づいている。 原子の位置やセルの構造最適化、電子状態やバンド構造の計算、フォノンによる振動解析、中性子散乱の計算が可能で、マルチプラットフォームで動作し、MPIとOpenMPによる並列化に対応している。 材料物性の理論解析や新物質探索に広く利用され、計算生物学においても有用なツールの1つとなっている。 |
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