マルチオミクス・分子シミュレーション向けマシン

バイオインフォマティクス研究に携わるお客様より、100V電源を前提に、菌叢解析 (きんそうかいせき) やNGS、RNA-seqのDe novoシークエンス、メタボロームなどのマルチオミクス解析、化合物の生成シミュレーションなどに活用できるマシンをご相談いただきました。
ご連絡いただいた内容を踏まえ、弊社からは下記の構成をご提案しました。

CPU Intel Xeon W7-3555 2.70GHz (TB3.0時 最大4.8GHz) 28C/56T
メモリ 合計512GB DDR5 5600 REG ECC 64GB x 8
ストレージ1 4TB SSD M.2 NVMe Gen4 (RAIDなし)
ストレージ2 4TB SSD M.2 NVMe Gen4 (RAIDなし)
ストレージ3 15.36TB SSD NVMe
ビデオ NVIDIA Geforce RTX 4090 24GB
ネットワーク on board (1GbE x 1 /10GbE x 1)
筐体+電源 ミドルタワー型筐体 1500W 80PLUS PLATINUM
OS Microsoft Windows 11 Professional 64bit
その他(1) 各4TB SSDにWindows・Ubuntuをインストール
その他(2) Ubuntu22.04 デュアルブート設定

菌叢解析、RNA-seqのDe novoシークエンス、マルチオミクス解析、化合物生成シミュレーションなど、多様なバイオインフォマティクス用途を想定したマシンです。

お客様のご用途にあるマルチオミクス解析(例:ゲノム+トランスクリプトーム+プロテオームなど)では、複数の大規模データセットを同時に扱う場面が多く、メモリ帯域や容量が処理性能に大きく関与します。

本仕様では、28コア56スレッドのXeon W7-3555を搭載し、重い並列処理でも処理速度を確保
さらに、高負荷マルチオミクス解析にも十分対応可能な512GBの大容量メモリも備えています。
UbuntuとWindowsのデュアルブート環境により、RやPython、Minicondaを利用した多様なデータ処理もスムーズに運用可能です。

拡張性について

将来的なGPUの増設を想定し、1500Wの電源ユニットを搭載しています。
ただし、100V電源環境で使用する場合、実際に供給可能な出力は最大で約1200Wとなります。

本構成では、64GBのメモリモジュールを8枚搭載しており、合計512GBのメモリ容量となっています。
マザーボードにはさらに8つの空きスロットがあり、同仕様の64GBメモリモジュールを追加することで、1TB (64GB x 16枚) まで拡張可能です。

さらにメモリ容量の拡張をご希望の場合は、メモリモジュールを64GBからすべて128GBへ置き換えることで、最大2TB (128GB x 16枚) まで対応できます。

このような分野で活躍されている方へ

  • バイオインフォマティクス
  • ゲノム科学
  • 遺伝子解析
  • メタボロミクス
  • データ駆動型生命科学

上記の構成例以外にも、ご予算やご使用のソフトウェア、将来的な運用方法に合わせて最適なパーツ構成をご提案いたします。
掲載内容とは異なる条件でも、お気軽にご相談ください。

■キーワード

・De novoシークエンスとは

De novoシークエンスは、既知の参照ゲノムを使わずにDNAやRNAの塩基配列を読み取り、全体の構造を再構築する手法。
未知生物や高変異領域の解析に適しており、ゲノムアセンブリや新規遺伝子の発見に広く利用される。

・NGS解析とは

NGS (Next Generation Sequencer:次世代シーケンサー) は、核酸 (DNAとRNA)の塩基配列情報を決定するための基盤技術。
数百万のDNA分子を同時に配列決定することが可能。
NGSは高速でシークエンシングを行うことができるため、臨床サンプルの劣化の早いRNAウイルスの塩基配列同定などで用いられる。

・Rとは

Rとはオープンソース・フリーソフトウェアの統計解析向けプログラミング言語/開発実行環境。
統計処理のための計算やグラフ化で利用される。
多くのライブラリが存在するため、ライブラリを呼び出すだけで複雑な手法を扱うことができる。

参考: The R Project for Statistical Computing ※外部サイトに飛びます

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