
バイオインフォマティクス研究に携わるお客様より、RNA-seq解析や遺伝子発現解析、菌叢解析(きんそうかいせき)などを目的に仮想環境を構築して運用しているが、現行のワークステーションでは処理能力に限界を感じているため、より高性能な構成への刷新を検討したいというご相談をいただきました。
現行のワークステーションの設計は下記の通りです。
CPU:Intel Xeon E-2124G
RAM:16GB
ストレージ:3.64TB
GPU:NVIDIA Quadro P400
ご連絡いただいた内容を踏まえ、弊社からは下記の構成をご提案しました。
CPU | Intel Xeon W7-2595X 2.80GHz (TB3.0時 最大4.8GHz) 26C/52T |
メモリ | 合計256GB DDR5 5600 REG ECC 64GB x 4 |
ストレージ1 | 2TB SSD S-ATA (RAIDなし) |
ストレージ2 | 2TB SSD S-ATA (RAIDなし) |
ストレージ3 | 4TB SSD M.2 NVMe Gen4 |
ビデオ | NVIDIA RTX 4500 Ada 24GB (DisplayPort x 4) |
ネットワーク | on board (2.5GbE x 1 / 10GbE x 1) |
筐体+電源 | ミドルタワー型筐体 1600W 80PLUS TITANIUM |
OS | Microsoft Windows 11 Pro for WS 64bit |
その他 (1) | 2TB SSDへそれぞれデュアルブート設定 |
その他 (2) | Ubuntu22.04 デュアルブート設定 |
ゲノム解析や構造予測に対応し、仮想環境上で複数のツールを運用できる、バイオインフォマティクス研究向けの高性能マシンです。
大規模演算を支えるパーツ構成
RNA-seq解析や菌叢解析など、多様な処理を並列に実行する研究においては、ハイスペックマシン環境の有無が解析効率に直結します。
本構成では、26コア52スレッドのIntel Xeon W7-2595Xを採用。
大規模な演算処理でも安定したパフォーマンスを発揮し、Dockerのコンテナ技術を活用した複雑な運用にも適しています。
さらに、256GBのDDR5 ECCメモリを搭載することで、演算の遅延を抑えることが可能です。
複数の仮想環境を同時に立ち上げても速度が低下しにくく、快適な作業環境を維持できます。
グラフィックスには、24GBのGPUメモリを搭載したNVIDIA RTX 4500 Adaを採用。
AlphaFold3などの構造予測ツールに適しており、中規模までの解析であれば、適切な設定を通して安定した処理が行えます。
Linux環境でのGUI操作を想定し、OS構成はWSL2からデュアルブート構成へと変更しました。
これらの構成要素により、並列解析からGPUを用いた構造予測まで、安定的かつ効率的に運用できます。
このような分野で活躍されている方へ
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本仕様は、現在のご用途だけでなく、新たな研究ニーズにも対応できる、バランスが取れた設計です。
ご予算や利用されるソフトウェア、今後の運用方針に応じたカスタマイズにも柔軟に対応可能ですので、掲載内容以外の条件でもどうぞお気軽にご相談ください。
キーワード・QIIME2とは QIIME2は微生物叢分析のためのオープンソースのソフトウェアパッケージ。 ・AlphaFold3とは AlphaFold3は、DeepLearningによるタンパク質や複合体の立体構造予測を行うプログラム。 |
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