【記事】Metashape 1.6.2のパフォーマンス測定

弊社でも販売しているAgisoft Metashapeは、画像から3Dモデルを作成するモデリングソフトウェアとして、旧PhotoScanまで遡ると10年近くに渡って開発が続けられています。Metashapeは機能の拡充だけでなくハードウェア処理の効率化も積極的に取り込まれており、最新のMetashapeではCPUのマルチスレッディングやGPGPUを駆使して大容量データの処理を高速に行えるようになっています。

今回は、2020年5月時点で最新の安定版となる Metashape 1.6.2を用い、データ処理のパフォーマンスを測定しました。

検証内容

Metashape 1.6.2を用い、以下の工程で3Dモデル作成処理を行い、所要時間を計測しました。GPGPUを有効にし、所要時間の短縮を図っています。MetashapeではGPGPUの動作モードをCUDAとOpenCLで選択することができますが、本検証ではデフォルトのCUDAを選択しています。

  • Build Dense Cloud / Ultra High設定
  • Build Mesh / High設定

 

モデル作成に利用した画像データの詳細は以下のとおりです。

  • 3MB~4MBの.jpgファイル約550枚(総容量約2GB)、被写対象は石像
  • 画像のピクセル解像度は約1,500万画素

ハードウェア環境

検証に利用したハードウェアは以下のとおりです。GPGPUを積極的に活用するため、最新世代のハイエンドGPUをマルチ構成で搭載しています。

  • CPU:Intel Xeon-W 2275 (3.30GHz,14コア)
  • メモリ:512GB
  • ストレージ:NVMe SSD 500GB
  • GPU:NVIDIA GeForce RTX2080Ti ×2 (マルチGPU,NVLINK SLIはなし)

 

結果

上記条件での処理をおよそ半日以内に終えることができました。

Metashape 1.6.2

Build Dense Cloud 9:21:43
Build Mesh 1:44:08
合計処理時間 11:05:51

なお、比較のためMetashape 1.5.5でも同じ条件のもと測定を行いました。その結果は以下のとおりです。

Metashape 1.5.5

Build Dense Cloud 8:55:01
Build Mesh 3:24:01
合計処理時間 12:19:02

Build Mesh工程で所要時間に大きな差が生まれていますが、これはBuild Mesh処理でもGPGPUが積極的に利用されるようソフトウェアの処理が改良されたためと思われます。以前のMetashapeではGPGPUを利用できる場面が限定されていましたが、その適用範囲がバージョンアップによって広がっており、処理効率に貢献しています。また、CPUで処理を行う工程に関してもマルチスレッドCPUへの最適化が進められた結果、全体的なパフォーマンスの向上につながっていると考えられます。しかしながら,バージョンによって処理プロセスが変更されることでハードウェアへの最適化の度合いに差が出るのか,Build Dense Cloudでは若干の速度の低下が見られました。全体としては1時間以上の短縮が見られるため,バージョンアップは有効に作用していると言えるでしょう。

なお、本稿では詳しく触れませんが、メモリ使用量も以前のバージョンと比較して減少しております。

まとめ

Metashapeは積極的なバージョンアップにより今日のマルチスレッドCPU、GPGPUへの対応を進めています。現在Metashapeをご利用の方も、これからMetashapeを使ってみたいという方も、並列処理性能の高いコンピュータを選択することでより短時間にモデル作成し、クリエイティビティを加速させることができます。コンピュータ選択の際の参考になりますと幸いです。

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※補足

以前のMetashapeには一部処理に不具合のあるバージョンが存在します。弊社でMetashape 1.5.1にて上記条件でのテストを行ったところ、処理の完了に48時間以上を要する現象が発生することを確認しています。この現象の発生条件は現在のところ判明しておりませんが、GPGPUを有効にしている場合に発生する模様です。現在Metashape 1.5.1を利用している場合、最新版へアップデートすることで劇的に処理時間が短縮される可能性があります。

この記事を書いた人 : 技術部 和田
この記事を書いた日 : 2020.5.21