Lumerical・COMSOL向けワークステーション(予算:100万円)

光化学研究に携わるお客様より、ご予算100万円前後で、LumericalとCOMSOLによる電磁界シミュレーションに対応した研究室用PCの導入を検討しているとご相談をいただきました。

ご覧いただいた事例記事を踏まえ、メモリ帯域幅と並列処理性能を重視したPC構成をご提案しました。
ご予算の上限や解析規模を考慮し、計算負荷に適した仕様としています。

CPU Intel Xeon W5-2565X 3.20GHz (TB3.0時 最大4.8GHz) 18C/36T
メモリ 合計128GB DDR5 5600 REG ECC (32GB x 4)
ストレージ1 2TB SSD M.2 NVMe Gen5
ストレージ2 2TB SSD S-ATA
ビデオ NVIDIA RTX A400 4GB (MiniDisplayPort x 4)
ネットワーク on board (1GbE x1 /10GbE x1)
筐体+電源 ミドルタワー型筐体+1000W 80PLUS PLATINUM
OS Microsoft Windows 11 Professional 64bit

LumericalとCOMSOLの使用を想定した構成

LumericalとCOMSOLは、計算処理の多くをメモリのアクセス速度とCPUのコア数に依存しています。
そこで、本構成では高速・大容量のメモリと高スレッド数のCPUを採用しました。

Lumericalの公式ガイドラインでは、解析処理速度にはCPUクロック数よりもメモリアクセス速度が重要であるとされています。
この要件に対応するため、DDR5-5600 REG ECCメモリを計128GB (32GB x 4枚) 搭載しています。
また、メモリスロットには4つの空きを確保しており、同型モジュールを増設することで、将来的な解析規模の拡張にも柔軟に備えることが可能です。

参考:Lumerical公式ハードウェア仕様ガイド

COMSOLの公式ナレッジベースでは、大規模モデルの並列処理において、CPUの物理コア数とメモリ帯域が重要な要素であると記載されています。
この要件に応えるため、18コア/36スレッドのIntel Xeon W5-2565Xを採用しました。
これにより、並列処理時の安定性と処理効率の向上が期待できます。

参考:COMSOL Multiphysics®_ – ナレッジベース

このような分野で活躍されている方へ

  • 電磁波工学
  • 光学設計
  • ナノフォトニクス
  • マルチフィジックス解析
  • 量子光学

個別の研究内容やソフトウェアに最適化するためのより詳しいご相談にも応じております。
ぜひお気軽にお問い合わせください。

キーワード

・Lumerical FDTDとは

Lumerical FDTDは、有限差分時間領域法(FDTD法)を用いて光学・電磁波のナノフォトニックデバイスや材料挙動を高精度にシミュレーションするソフトウェアです。
大学や企業の研究者向けに、CMOSイメージセンサ・太陽電池・フォトニック結晶など幅広い分野で活用されています。
PythonやMATLABなど多様なインターフェースと連携でき、HPCやGPUにも対応し大規模計算・パラメータスイープに最適です。

参考:Ansys Lumerical FDTD | Simulation for Photonic Components ※外部サイトに飛びます

・COMSOLとは

COMSOL Multiphysicsは、工学、製造、科学研究の各分野において幅広く利用されている、有限要素法(FEM)を基盤とした汎用シミュレーションソフトウェアです。
流体解析、電磁場解析、化学反応など、複数の物理現象を統合的にモデル化・解析できる点が大きな特長です。

参考:COMSOL Multiphysics® モデリングソフトウェア ※外部サイトに飛びます