AlphaFold3を研究環境で動かすために ― 導入の全体像と安定運用のポイント

ライフサイエンスキャンペーン実施中(TEGSYS)

はじめに

AlphaFold3 は、高精度な構造予測機能を持っており、タンパク質構造予測の分野で大きな注目を集めています。
しかし「実際に動かしてみたい」と考えたとき、GPUやコンテナなど、導入のハードルを感じる方も少なくありません。

本記事では、Ubuntu 24.04上で導入する際の全体像を3ステップに整理します。あわせて導入を支える TEGSYS(テグシス)の取り組みについてもご紹介します。

 

AlphaFold3導入ガイドを技術記事で公開中

TEGSYSでは、Ubuntu 24.04環境でのAlphaFold3導入手順を技術記事として公開しています。実際のセットアップに役立つ、具体的なコマンド例や構成手順をご覧いただけます。

導入時に注意すべきポイントや、つまずきやすい箇所もあわせて解説しています。

導入の全体像(3ステップ)

ゼロからAlphaFold3 を起動するまでの流れは、以下の3 つのステップに整理できます。

  • ステップ1:環境の準備

    Docker、CUDA Toolkit、NVIDIA Container Toolkitを導入します。
    nvidia-smiコマンドで、GPUが正しく認識されているかを確認します。

  • ステップ2:AlphaFold3のインストール

    公式リポジトリを取得し、Dockerイメージをビルドします。
    モデルはGoogleフォームから申請して入手し、$HOME/modelsに配置します。
    必要なデータベースも取得・展開します。

  • ステップ3:実行と確認

    入力用のJSONファイルを準備し、GPUを指定して実行します。
    ログにエラーがなければ、導入は完了です。

この 3 ステップを押さえておけば、導入の全体像がつかみやすくなります。
各ステップのコマンド例や注意点などは、TEGSYSの記事でご確認いただけます。

 

 

導入環境の目安をざっくり把握したい方へ

AlphaFold3の導入手順をが把握できたら、次に確認すべきなのは「どこまで準備すれば実際に動かせるのか?」という点です。

ここでは、AlphaFold3 が実行可能な状態にするために必要な環境構築の要素を、わかりやすく整理しました。
全体像をつかんでおくことで、安定した運用につながります。ぜひご活用ください。

カテゴリ 必要要素
OS Ubuntu 24.04
コンテナ環境 Docker、NVIDIA Container Toolkit
GPU環境 CUDA(ドライバ整合が必要)
データベース 圧縮252GB/展開約630GB(取得スクリプトあり)
モデル Googleフォーム申請後に入手、$HOME/models に配置

この構成は、TEGSYSが検証を行ったUbuntu 24.04環境をベースにしており、初めての導入でも再現性の高いセットアップが可能です。

検証済みの環境をもとにすることで、導入時のトラブルを未然に防ぎ、スムーズな運用につながります。

TEGSYSが支える導入・運用

環境構築の要素がそろえばAlphaFold3 の推論実行が可能になりますが、実際の運用ではハードウェア面のボトルネックに直面することもあります。

そこで TEGSYS では、こうした研究現場特有の課題を見据えた導入支援を行っています。
GPUの性能や依存関係の整合など、環境構築から安定運用まで一貫してサポートいたします。

次に、AlphaFold3 の動作を想定した構成例をご紹介します。

 

実機構成の参考事例

以下は、AlphaFold3 の運用を想定したワークステーション構成の一例です。
実際のご用途や解析対象に応じて柔軟にカスタマイズできます。

機械学習・DFT計算 両立ワークステーション
用途:Alphafold3、ESM Cambrian、機械学習、Gaussian

CPU AMD Ryzen9 9950X 4.30GHz(Boost最大5.70GHz)16C/32T
メモリ 合計192GB DDR5-5600(48GB × 4)
ストレージ 1TB SSD(SATA)+ 4TB SSD(M.2 NVMe Gen4)
GPU NVIDIA GeForce RTX 5090 32GB
OS Ubuntu 24.04

※ 大容量DBの展開とI/Oを考慮してNVMeを採用。複数ユーザー併用や並列処理も視野に入れたメモリ構成です。

遺伝子解析用・構造予測向けマシン
用途:RNA-seq解析、ゲノム解析、構造予測

CPU Intel Xeon W7-2595X 2.80GHz(TB3.0時 最大4.8GHz)26C/52T
メモリ 合計256GB DDR5-5600 REG ECC(64GB × 4)
ストレージ 2TB SSD(SATA)×2(RAIDなし)+ 4TB SSD(M.2 NVMe Gen4)
GPU NVIDIA RTX 4500 Ada 24GB(DisplayPort × 4)
OS Microsoft Windows 11 Pro for WS 64bit(Ubuntu 22.04 デュアルブート)

※ Windowsベースの運用に配慮しつつ、デュアルブートでLinux環境も確保。解析ワークフローに合わせて柔軟に切り替え可能です。

研究用途に特化した構成で、導入後すぐに利用できるよう インストール済みでの納品も可能です。

環境構築や設定に不安がある方は、いつでもご相談いただけます

 

ライフサイエンスキャンペーンのお知らせ

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こうした導入支援に加えて、現在TEGSYSではライフサイエンス分野の研究者向けに特別キャンペーンを実施中です。

実機構成の導入を検討されている方に向けて、ストレージサービスとして内蔵HDD最大10TB分を無料で提供など、より実用的な特典をご用意しています。

また、キャンペーンページでは各種ソフトウェアや解析環境の導入事例も公開しています。
環境構築やシステム設計の参考として、ぜひご覧ください。

 

まとめ

AlphaFold3 の導入は一見複雑に見えますが、要点を押さえれば安定した運用が可能です。
GPU 環境やコンテナ設定を整えることで、再現性の高い構造予測環境を実現できます。

TEGSYS では、最先端の研究基盤の整備を支援し、お客様の研究を次のステージへと導く土台づくりを推進しています。
また、ライフサイエンス領域の研究者様向けに、導入を後押しする特別キャンペーンを展開しています。
詳細は以下よりご覧ください。

AlphaFold3 導入解説記事(TEGSYS)

ライフサイエンスキャンペーン 2025

 

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