分子生物学研究を支援するためのソフトウェア 「SnapGene」の 最新バージョン 6.0 が正式リリースされました

GSL Biotech社の分子生物学の遺伝子研究における計画・可視化のためのソフトウェア「SnapGene」の最新バージョン 6.0 が正式にリリースされました(2021年11月29日 現地時間)。

今回のメジャーアップデートには、サイレント変異による制限酵素の編集、フィーチャータイプのセットの拡張、共有可能なアガロースゲルファイル、およびクローニングシミュレーション機能の強化などが含まれ、より柔軟な編集や参照ができるようになりました。

本記事はWhat’s New in SnapGene? を参照しています
https://go.snapgene.com/whats-new

 

SnapGeneについて

クローニングやPCR操作の範囲までをサポートした分子生物学的手法における遺伝子解析の計画・可視化・ドキュメント化ソフトウェアです。研究において作成したDNA構築物を見やすい電子形式のドキュメントにします。これらのドキュメントファイルは無償のビューアー(SnapGene Viewer)を用いて研究者同士で共有することができます。

主な機能

  • Molecular Cloning Techniques
    – PCRや一般的なクローニングメソッドのシミュレーション
    – DNAや染色体(chromosome size sequences)などの可視化
    – クローニング手順の中のすべてのオペレーションを自動で記録
  • Align & Verify
    – 正確なクローニングのためのエラー検出
    – プラスミドの配列と注釈、アライメント、アガロースゲル電気泳動
  • Data Management
    – 色分けなど識別に優れた変更履歴を自動的に作成
    – 様々なファイル形式への対応
    – 分子生物学における様々なファイル形式をSnapGeneに変換

 

バージョン 6.0 の新機能

1.サイレント変異(silent mutation)による制限酵素の追加と除去

サイレント変異(silent mutation)の酵素サイトのツールにより、コーディング配列から容易に制限酵素サイトの追加や除去が可能です(翻訳を変更せずに、コーディング配列に制限部位を追加/除去できます)。

2.任意のフィーチャータイプや修飾子の定義(追加・削除)が可能

プリセットされたフィーチャータイプ(GenBank)以外の任意のフィーチャータイプが扱えるようになりました。フィーチャータイプの追加や削除だけでなく、デフォルトのフィーチャーカラーの変更もでき、識別に役立ちます。

3.アガロースゲルのシミュレーションを.gelファイルとして保存可能

アガロースゲルのシミュレーションを.gelファイルとして保存できるようになり、ほかのユーザーとのgelファイル共有、閲覧、または保存後にgelの表示、編集などができます。

4.ペアワイズおよびマルチプルアラインメントでの機能アノテーション

ペアワイズおよびマルチプルシーケンスアラインメントの両方で機能の表示、追加、編集が可能です。またアライメントビュー(Alignment)とフィーチャービュー(Features)を切り替えて、シーケンス、機能、各機能と関連する修飾子情報などを確認することもできます。

5.クローニングシミュレーションツールの強化

クローン作成シミュレーションダイアログが刷新され柔軟性が強化されました。クローン作成インターフェイス内でのフラグメントの追加・除去・並び替えができます。また制限付きクローニング、Gibson Assembly、In-Fusion Cloning、NEBuilder HiFi Assemblyのシミュレーションでは、必要に応じてベクトルの「Orientation of Vector」を逆方向に設定することが可能です。

 

※その他の機能につきましては、SnapGene6.0のリリースノートをご参照ください。