
細胞分子工学の研究に携わるお客様より、ワークステーション導入をご相談いただきました。
グライコプロテオミクス解析を数千検体レベルで実施するため、複数の解析ソフト (MSFragger-glyco、Byonic、Glyco-Decipher、pGlyco3、Mascotなど) を並列実行できる高性能なワークステーションをお求めです。
1つの LC-MS データを複数のソフトウェアで同時に解析する運用を想定されており、最低限の構成とおすすめ構成の2案での提案をご希望です。
お客様のご要望を踏まえて、想定のソフトウェアでの解析のために必要な、最低限のスペックを満たした構成 (エントリー構成) と推奨スペックの構成 (おすすめ構成) をご提案しました。
本事例では、最低限のスペックを満たしたエントリー構成をご紹介します。
CPU | Intel Xeon 6740P 2.10GHz (TB 3.80GHz) 48C/96T x 2基構成 |
メモリ | 合計512GB DDR5 5600 REG ECC 32GB x 16 |
ストレージ | 4TB SSD M.2 NVMe Gen5 |
ビデオ | NVIDIA RTX A400 4GB (MiniDisplayPort x 4) |
ネットワーク | on board (10GbE x 2) |
筐体+電源 | タワー型筐体 1500W 80PLUS PLATINUM |
OS | Microsoft Windows 11 Professional 64bit |
並列解析に最適化した基本構成
お客様が使用予定の各ソフトウェアに対して、以下のスペックが必要および推奨される要件です。
コア数:16~32コア
メモリ:16~128GB
マルチコア性能:並列処理に対応可能
GPU:アクセラレーターなし (機械学習処理対応)
OS:Windows環境
エントリー構成では、Intel Xeon 6740P (48コア×2基) と512GBのメモリを搭載し、1ソフトあたり16コア・100GBメモリの割り当てが可能な設計としました。
Mascotのミドルライセンス要件に対応しつつ、複数の解析ソフトを同時に安定して動作させることができます。
解析対象が数千検体に及ぶため、メモリ不足によるスワップ発生を防ぎ、処理速度の低下を回避する構成としています。
ストレージと拡張性について
ストレージには4TBのM.2 NVMe Gen5 SSDを採用し、大容量の解析データも高速に読み書き可能です。
PCIeスロットやM.2スロットも複数備えており、将来的な拡張にも柔軟に対応できます。
GPUの選定について
GPUにはNVIDIA RTX A400を搭載していますが、今回の用途ではGPU負荷は高くないため、コストバランスを考慮して選定しました。
機械学習用途などでGPU強化が必要となった場合には、RTX 5090などへの変更も可能です。
事例No.PC-TS2J253516との違いについて
PC-TS2J253515構成は、並列解析に必要な最低限のスペックを満たす「エントリー構成」として設計されています。
一方、PC-TS2J253516構成は、CPUコア数・メモリ容量ともに約2倍に強化されており、より大規模な解析や高負荷処理に対応する「おすすめ構成」です。
処理速度自体は大きく変わらないものの、同時に扱えるデータ量や解析規模において明確な差があり、将来的な研究展開や負荷増加を見据えた選択肢として位置づけられます。
使用したいソフトウェアや今後の方針に応じて、柔軟なカスタマイズに対応しております。初期相談からカスタマイズまで、お気軽にお問い合わせください。
キーワード・Byonicとは
・MSFragger suiteとは ・Glyco-Decipherとは ・pGlyco3とは ・Mascotとは
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