
分子工学研究に携わるお客様より、CST Studio Suiteの運用を目的に、ワークステーション導入したい、とご相談をいただきました。
予算は200万円前後で、計算速度を重視した構成をご希望です。
将来的にはGPUアクセラレータの利用を想定し、RTX 6000 AdaクラスのGPUを追加搭載する計画も含まれています。
CST Studio Suiteの計算特性を踏まえ、CPU性能・メモリ容量・I/O性能を重視した構成をご提案しました。
将来的なGPUアクセラレーションにも対応可能な設計とし、RTX 6000 AdaクラスのGPU追加を見据えた拡張性も確保しています。
CPU | Intel Xeon Gold 6538Y+ 2.20GHz (TB 4.00GHz) 32C/64T x 2基構成 |
メモリ | 合計256GB DDR5 5600 REG ECC 16GB x 16 |
ストレージ1 | 2TB SSD M.2 NVMe Gen5 |
ストレージ2 | 2TB SSD M.2 NVMe Gen5 |
ビデオ | NVIDIA RTX A400 4GB (MiniDisplayPort x 4) |
ネットワーク | on board (10GBase-T x2) |
筐体+電源 | タワー型筐体 1500W 80PLUS PLATINUM |
OS | Microsoft Windows 11 Professional 64bit |
CST Studio Suiteの特性
CST Studio Suiteは、電磁界解析などの高度なシミュレーションを行うソフトウェアで、主にCPUを用いて計算処理を行います。
本ソフトのソルバー (数値解析エンジン) は並列処理を前提に設計されており、搭載するCPUのコア数やクロック周波数が計算性能に大きく影響します。
この特性に合わせ、32コア/64スレッドのIntel Xeon Gold 6538Y+を2基採用しています (計 64コア/128スレッド) 。
また、メモリは256GB (16GB x 16枚) を標準搭載。解析モデルの大規模化や複数ジョブの同時実行もこなすことができます。
I/O性能にも配慮し、Gen5 NVMe SSDを2基組み込むことで、大容量データの読み書きも高速に処理できます。
GPU追加に向けた設計と混在時の留意点
初期構成ではGPUアクセラレータの機能は使用せず、画面出力用としてRTX A400を採用しています。
将来的にGPUによる高速化を図る場合に備え、6000 AdaクラスのGPUにも対応可能な1500W 80PLUS Platinum電源を搭載し、拡張性を確保しています。
RTX A400に6000 Adaを併用させた構成では、ソフトウェアの仕様により挙動が異なるため、以下のようなケーズごとの対応が必要です。
・GPUを明示的に指定できる場合:6000 Adaを指定することで確実に利用可能です。
・自動選択型のソフトウェア:通常は性能の高いGPUが優先されます。
・並列GPU処理を行う場合:性能差がボトルネックになる可能性があるため、A400を無効化または取り外すことで対応できます。
・ドライバ互換性:両GPUはNVIDIA RTX系に属しており、互換性に問題ありません。ただしGeForce系との混在はドライバの仕様上非対応です。
なお、6000 Adaは後継のBlackwell世代の登場により、今後販売終了となる見込みです。
この点についてはお客様にもご理解いただき、将来的な構成としてRTX 6000 Blackwellの増設も視野に入れています。
このような分野で活躍されている方へ
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導入目的や今後の研究方針に応じて、カスタマイズやソフトウェア要件への対応も承っております。
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キーワード・CST Studio Suiteとは CST Studio Suiteは、電気部品やシステムの設計・解析・最適化を支援する高性能3次元電磁界解析ソフトです。 |
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