Quantum ESPRESSO向けワークステーション(インストール費込み)


第一原理計算 (Quantum ESPRESSO) を用いた材料解析に取り組まれているお客様より、より高速かつ大規模な計算に対応できる専用 Linux 環境のご相談をいただきました。
お客様は現在、72原子規模の格子構造や欠陥構造の解析を行われています。
予算は 100~200 万円で、スーパーセルによる欠陥解析・バンド構造・状態密度計算まで扱える計算資源を求められています。
現行の Threadripper PRO (32 コア / 64 スレッド) とメモリ 64GB環境で生じている、物理メモリ不足や安定性の課題を解消した、Quantum ESPRESSOに最適な構成をご希望です。

CPU AMD EPYC 9654 2.40GHz 96C/192T
メモリ 合計384GB DDR5 5600 REG ECC 32GB x 12
ストレージ1 4TB SSD M.2 NVMe Gen4
ビデオ NVIDIA RTX A1000 8GB (MiniDisplayPort x4)
ネットワーク on board (10GBase-T x2)
筐体+電源 ミドルタワー型筐体+1000W 80PLUS PLATINUM
OS Ubuntu 24.04
その他 Quantum ESPRESSO インストール

CPUとメモリ構成について

Quantum ESPRESSOの計算には、並列計算性能とメモリ容量の影響が大きいとされています。
速度と安定性向上のため、96コアのEPYC 9654 (96コア/192スレッド)を採用しました。従来の32コアから大幅に性能を向上させています。
1コアあたりのメモリ容量が従来の2倍である、384GBを搭載しています。

GPUの選定について

本件ではGPUを画像描画以外の用途で使用しないため、描画用途としてRTX A1000を選定しました。

OS環境と電源ユニットについて

本構成は、Quantum ESPRESSOをプリインストールしており、到着後すぐに研究を開始できるよう設定されています。
また、想定消費電力に対して余裕のある1000Wの電源ユニットを搭載し、本構成での安定性を確保しています。

このような分野で活躍されている方へ

  • 材料科学
  • 固体物理
  • 計算化学
  • 半導体デバイス
  • 表面科学

テガラのオーダーメイドPC製作サービスは、導入時の用途に加え、将来的な研究規模の拡大を見据えたシステムの拡張にも対応しています。
各種ソフトウェア要件に応じた構成のご提案はもちろん、研究環境全体の構築に関するご相談も承っています。
お客様のニーズに合わせて最適なソリューションをご提供しますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

キーワード

Quantum Espressoとは

Quantum ESPRESSOは、物質科学や化学分野の研究者が、原子・分子・個体などの電子構造を解析するために使用する、オープンソースの第一原理計算パッケージです。
密度汎関数法(DFT)を中心に、擬ポテンシャル法と平面波基底を用いた高精度な電子状態計算が可能で、新素材の設計や物性予測、材料モデリングなどに広く活用されています。

参考:Home Page – Quantum Espresso ※外部サイトに飛びます

XCrySDenとは

XCrySDenは、結晶や分子構造を可視化するためのオープンソースソフトウェアです。
主に大学や企業の計算化学・物性物理分野の研究者が、第一原理計算(Gaussian、WIEN2k、Quantum ESPRESSOなど)の入力や計算結果の立体表示・解析に利用しています。

参考:XCrySDen Official Site ※外部サイトに飛びます

VESTAとは

VESTAは、物質の中身を三次元的に視覚化し、材料や原子の配置を直感的に理解できるフリーソフトウェアです。
大学や企業の研究者が結晶構造解析や第一原理計算の結果の可視化に使っており、使いやすいインターフェースと多彩な表示・操作機能が特徴です。

参考:VESTA ※外部サイトに飛びます

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