
バイオインフォマティクス研究に携わるお客様より、事例No.PC-11212をご覧のうえ、質量分析データ解析に使用するワークステーションについてご相談をいただきました。
Agilent社製のMass HunterやMass Profiler Professionalを中心に使用予定で、予算は100~150万円程度です。
併せて、MS-DIAL、MS-Finder、SIMCA、マルチオミクス解析パッケージの利用も想定されており、将来的にはRNA-Seqの解析データとの統合解析にも対応できる構成をご希望です。
No.PC-11212をベースに、下記の条件をご依頼をいただいています。
OS:Windowsのみ
メモリ:128GB以上
CPU:予算内でコア数重視
ストレージ構成は事例通り
Wi-Fi機能も必要
ご連絡いただいた内容を踏まえ、弊社からは下記の構成をご提案しました。
CPU | Intel Xeon W7-3565X 2.50GHz (TB3.0時 最大4.8GHz) 32C/64T |
メモリ | 合計256GB DDR5 5600 REG ECC 32GB x 8 |
ストレージ1 | 2TB SSD M.2 NVMe Gen4 (RAIDなし) |
ストレージ2 | 2TB SSD M.2 NVMe Gen4 (RAIDなし) |
ストレージ3 | 16TB HDD S-ATA |
ビデオ | NVIDIA RTX A400 4GB (MiniDisplayPort x 4) |
ネットワーク | on board (1GbE x 1 / 10GbE x 1) |
筐体+電源 | ミドルタワー型筐体 1000W 80PLUS PLATINUM |
OS | Microsoft Windows 11 Professional 64bit |
その他(1) | TPMモジュール |
その他(2) | 内蔵無線LAN / BT |
お客様が主に使用されるMass HunterおよびMass Profiler Professionalは、質量分析データの取得から多変量解析までを担う高機能な解析ソフトウェアです。
Mass Hunterでは16GB以上のメモリ、マルチスレッド対応CPU、1GbEまたは10GbEのネットワーク接続が必須とされています。
参考:Agilent Technologies公式サイト
MHRequirements_EN
上記の要件と「コア数重視」というご要望を踏まえ、本構成ではXeon W7-3565X 32コア64スレッドと256GBのメモリを搭載。十分な処理能力と将来的なメモリの拡張性を確保しました。
Wi-Fi対応機能や大容量ストレージも装備し、大学・企業研究室など多様な現場に適したシステムに仕上がっています。
大規模解析に適したパフォーマンス設計
質量分析やRNA-Seqのように、演算負荷が高く、大量のデータを扱う解析では、CPU性能とメモリ容量のバランスが重要です。
CPU性能が高ければ複雑な計算処理を短時間でこなせ、メモリ容量が十分であれば多数のデータを保持しながら並列処理も対応可能です。
※バイオインフォマティクスや機械学習などの大規模なデータを扱う分野では、メモリ容量に128GB〜256GB を選ぶケースが増えています。(2025/6月現在)
32コアの高性能CPUと256GBメモリを搭載することで、大規模解析でも安定した処理と効率的な作業進行を実現します。
SIMCAをはじめとする多変量解析ツールや、RNA-Seqデータとのオミクス統合解析など、解析ソフトごとに異なる計算負荷にも柔軟に対応できる設計となっています。
安定した動作環境により、日々の研究でも安心してご活用いただけます。
このような分野で活躍されている方へ
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本ワークステーションは、解析処理の高速化だけでなく、柔軟性や安定性にも配慮して設計されています。
重点を置きたいパーツや今後の運用方針に応じたカスタマイズにも柔軟に対応しております。掲載内容に含まれないご要望につきましても、どうぞ遠慮なくご相談ください。
キーワード【Phase 1:データ取得・前処理】 ・Mass Hunterとは Gaussianは、米国のGaussian社の開発する計算化学用ソフトウェア。 ・MS-DIALとは LC-MS、GC-MSなどのデータを取り込み、ピーク検出、ノイズ除去、定量解析を行う。 【Phase 2:構造解析】 ・MS-Finderとは MS-DIALで抽出されたピークリストやスペクトル情報をもとに、MS/MSスペクトルから化合物構造を推定するための無料の構造解析ソフト。 【Phase 3:多変量解析・統計処理】 ・Mass Profiler Professionalとは Mass Hunterで処理した定量データをもとに、バイオマーカー探索やグループ間比較などの統計解析を実施。 ・SIMCAとは MS-DIALや他ソフトから得られた定量データを用い、PCA、PLSなどによる視覚的な多変量解析を実行する。 【Phase 4:統合解析・可視化】 ・マルチオミクス解析パッケージとは 質量分析データとRNA-Seqなど他のオミクス情報を統合し、代謝経路やネットワークとして可視化。 |
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