クライオ電子顕微鏡画像解析ワークステーション


お客様より、クライオ電子顕微鏡で取得した大量画像から三次元構造を再構築する解析処理向けワークステーションについてご相談をいただきました。
大量の画像データを用いた三次元再構成を見据え、RELION や CryoSPARC など複数の解析ソフトウェアを Linux 環境で運用したいとのご希望をいただいています。
さらに、研究効率向上の観点から GPU 性能を重視されており、ご予算1,000万円程度でのお見積もりをご希望です。

ご相談の内容を踏まえ、弊社からは以下の構成をご提案しました。

CPU Intel Xeon W7-3545 2.70GHz (TB3.0時 最大4.8GHz) 24C/48T
メモリ 合計512GB DDR5 5600 REG ECC 64GB x 8
ストレージ1 1TB SSD M.2 NVMe Gen4
ストレージ2 4TB SSD M.2 NVMe Gen4
ビデオ NVIDIA RTX PRO 6000 Max-Q 96GB x 4
ネットワーク on board (1GbE x1 /10GbE x1)
筐体+電源 GPGPU用フルタワー 2800W Titanium
OS Ubuntu 24.04

GPU構成について

解析処理ではGPUの枚数だけでなく、VRAM容量や長時間運用での安定性が重要になります。そこで、ワークステーションとして最良の性能バランスを発揮できる構成として、NVIDIA RTX PRO 6000 Max-Q (96GB) を4枚搭載する方式をご提案しました。
このGPUは大容量VRAMを備えており、大規模データを扱う解析でも余裕をもって処理できる点が特長です。総メモリ帯域もしっかり確保でき、各種解析ソフトにおいて安定した処理性能を発揮できる構成です。

CPUとメモリについて

GPU処理と並行して大量のメタデータや中間ファイルを扱うため、Xeon Wシリーズを採用し、メモリは512GBを搭載しました。
GPU総VRAMを上回るメモリ容量を確保することで、RELIONやCryoSPARCなどでの大規模タスクでも処理が滞りにくく、長時間の解析でも安定性を維持できます。

ストレージとOS構成

複数の解析ソフトを利用されるため、依存関係やバージョン差異に強い Ubuntu 24.04 を標準OSとして選定しました。
ストレージは高速アクセスを重視し、1TB+4TB NVMe SSDの2構成としています。解析データの読み書き負荷にも対応できるバランスを確保しています。

筐体と電源設計

GPU4枚構成を安定運用するため、排熱性能に優れたGPGPU用フルタワー型筐体を採用しました。
電源は2800Wの大容量製品を採用しており、継続稼働と負荷変動に強い設計です。
高負荷が続く研究用途でも安心して運用いただける構成としています。

キーワード

・RELIONとは
RELION(REgularised LIkelihood OptimisatioN)は、クライオ電子顕微鏡(cryo-EM)データを用いた三次元再構成に広く利用されるソフトウェア。ベイズ推定に基づく高精度な粒子分類・3D再構築・構造精密化を特徴とし、構造生物学や蛋白質複合体解析において標準的な解析ツールとなっている。大規模GPUアクセラレーションに対応し、高速かつ高解像度の構造解析が可能。

参考:RELION 4.0 Installation Guide(relion.readthedocs.io)

・cryoSPARCとは
cryoSPARCは、クライオ電子顕微鏡(cryo-EM)データの高速処理と高解像度リファインメントを統合した解析プラットフォーム。粒子ピッキング、2D分類、ab initio再構成、均一および非均一リファインメントなど多彩なワークフローを提供し、GPU最適化による高速処理が強み。大規模構造解析、複合体ダイナミクス研究、ハイスループット解析に広く利用されている。

参考:cryoSPARC Hardware & System Requirements(guide.cryosparc.com)

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