
機械学習および数値計算を中心とした研究に取り組まれているお客様より、100V環境で使用可能なワークステーション導入のご相談をいただきました。
使用予定ソフトは PyTorch、TensorFlow、OpenSWPC、SPECFEM、hbi、自作の MPI/OpenMP 並列コードです。
ご希望のハードウェアスペックは、CPU は64コア以上、メモリは256GB以上 (帯域幅重視) 、GPUはVRAM 96GB以上、SSDは高速I/O対応で4TB以上。
ご予算は約500万円を想定されています。
CPU | AMD Ryzen Threadripper PRO 9985WX 3.20GHz (boost 5.4GHz) 64C/128T |
メモリ | 合計512GB DDR5 5600 REG ECC 64GB x 8 |
ストレージ1 | 4TB SSD M.2 NVMe Gen5 |
ストレージ2 | 4TB SSD M.2 NVMe Gen4 |
ビデオ | NVIDIA RTX PRO6000 Max-Q 96GB |
ネットワーク | on board (10GBase-T x2) |
筐体+電源 | ミドルタワー型筐体+1600W 80PLUS PLATINUM |
OS | Alma Linux |
保証 | HDD返却不要サービス 1年 |
並列計算に最適なCPU構成
数値計算に最適なCPUとして、64コア128スレッドのRyzen Threadripper PRO 9985WXを採用しています。
多くのコア数に加え、ベースクロック 3.20GHzという高い動作周波数により、MPIやOpenMPを活用した並列処理を効率的に実行できます。
また、8チャネル対応のDDR5メモリにより、メモリ帯域のボトルネックを軽減しており、複数のプロセスを同時に実行する場合でも、安定した処理が可能です。
メモリ構成について
OpenSWPCやSPECFEMなど、大規模な行列データを扱う波動解析ソフトでは、十分なメモリ容量と高速なアクセス性能が求められます。
本構成ではDDR5-5600 REG ECC 512GB(64GB×8枚)を搭載し、容量・帯域幅ともに余裕ある環境を実現しています。
複雑な数値計算や並列処理においても、安定したパフォーマンスで計算処理を行えます。
GPUの選定と拡張性
機械学習用途として、GPUにはVRAM 96GBのRTX PRO 6000 Max-Qを選定しています。
大容量のグラフィックメモリは、深層学習だけでなく、GPUを利用する技術計算にも適しており、幅広い解析処理に活用できます。
SPECFEM3D Cartesianの解析では、NVIDIA公式にてマルチGPUによる性能向上が報告されています。
本構成は100V環境での単体運用を想定しており、200V環境が整えば2枚目のGPU増設も可能です。
あらかじめ1600W電源を搭載しているため、将来的なGPU拡張にもスムーズに対応できます。
ストレージとI/O性能
解析に必要な高速I/Oを実現するため、Gen5 NVMe SSD 4TB(読み込み速度10,000MB/s以上)を搭載しています。
これにより、大容量データの読み書きが高速に行え、解析処理の効率が上昇します。
さらに、Gen4 NVMe SSD 4TBを併設しており、作業領域と保存領域を分けて運用することで、データ管理の効率化と安定性を両立できます。
このような分野で活躍されている方へ
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テガラのオーダーメイドPC製作サービスは、導入時の用途に加え、将来的な研究規模の拡大を見据えたシステムの拡張にも対応しています。
各種ソフトウェア要件に応じた構成のご提案はもちろん、研究環境全体の構築に関するご相談も承っています。
お客様のニーズに合わせて最適なソリューションをご提供しますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
キーワード・PyTorchとは PyTorchは、Meta(旧Facebook)が開発したPythonベースのオープンソース振動学習フレームです。 ・Tensorflowとは TensorFlowは、Googleが開発したオープンソースの機械学習・深層学習ライブラリで、テンソル演算を通じた効率的な数値計算を可能にしています。 ・OpenSWPCとは OpenSWPCは、地震波の伝播を高精度に解析できるオープンソースの数値シミュレーションソフトです。 ・SPECFEMとは SPECFEMは、スペクトル要素法(SEM)を用いた地震波動解析用のオープンソースソフトウェアです。 ・HBIとは HBIは、地震サイクルを多次元で高精度に解析できる研究用シミュレーションソフトです。 |
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